『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』
町山智浩著『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』が、我が家ではバカウケである。長男が買って来て読んでいたのだが、次男が読み、家内が読み、そして私が読み始めている。
アメリカ人の髪の成分を調べると、髪の毛がコーンの成分で出来ているらしい。理由はハンバーガーもビールも、バーボンもシロップもスープも、コーンで作られているからなのだという。
今現在、アメリカのコーン畑の面積が38万平方キロに達し、日本列島の面積を超えた。コーンの七割以上は家畜の飼料である。コーンを食べた牛が肉となり市場に出回り、コーンシロップが砂糖の代わりとなり、コーラや菓子類、ケチャップなどに使われている。まさにコーン漬けである。
特にコーンシロップに含まれている高濃度の果糖が、アメリカ人の肥満、糖尿病、心臓肥大、肝硬変などの成人病をもたらし、健康問題に深刻な波紋を投げかけている。実はアメリカだけの話で済む問題ではない。
日曜日の大型スパーに入っている外資系のハンバーガーショップは、いつも子ども連れの家族でごったがえしている。使われている食材は間違いなくアメリカのものだ。将来の成人病予備軍が日々作られている。若い親御さんたちは真剣に子ども達の食を考えなければならない。
面白くおかしくアメリカ人の常識のなさをこの本は取り上げているが、日本とて生活IQがだいぶあやしくなってきている。
本のタイトル『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』に驚いてばかりはいられない。実は昨年入塾してきた中三の女子生徒が、日本の首都は盛岡だと思っていた。ジョークではなくマジ顔だった。県庁所在地という日本語と首都という日本語がクロスオーバーしていたのだ。
実は彼女を見て、中三の入塾テストを実施する決心を私は決めたのである。とある理由で塾はやめてもらったが、日々本など読まず携帯電話を友とし、お笑い番組ばかりを見ている子ども達の行く末が恐ろしいかねごんである。
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コメント
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かねごん先生こんにちは!
著者は田山智浩じゃなくて町山さんです
私は彼のブログの愛読者です。彼は単なるアンチアメリカではなくアメリカ好きなんだなーと思わせるところもあり、面白いなーと思います。
うちの過去の塾生には「国」という概念そのものが呑み込めない子がいて、(その子は九州が国でないのに日本が国であることに対してとても混乱していました) いろいろ考えさせられました。
私もコーン漬けには注意したいと思います。
(かねごん)
terakoya先生コメントありがとうございます。町山と田山を見間違えるとは、私ももうろくして来ました。ご指摘ありがとうございます。最近読書ばなれが激しい私は、現代人気作家の名前さえこうやって間違える始末です。面目ありません。
さてアメリカ産のコーンのほぼ100パーセントが、遺伝子組み換えによる作物です。私も農家の真似事をしている人間として非常に危惧しています。虫が食べようとしない作物が人間の身体にいいはずがありません。ほんとに食というものを考えないといけませんね。
投稿: terakoya | 2008年11月24日 (月) 02時04分
最近の大学生がかなり基本的な知識を知らないというのは聞いたことがあったのですが、「首都と県庁所在地」、「九州と国」の問題は単なる知識不足の問題を超えているのでは?との印象を持ちました。
私自身は「ひょうたん島世代」で(笑)、「勉強なさい」という曲がとても強く印象に残っていました。
大人になってからですが、その曲でサンデー先生が述べる「人間になるために勉強する」という指摘に共感しています。
(かねごん)
めぐ様僕の過去の記事を読んでいてくださってありがとうございます。
人間は死ぬまで一生学びの日々ですね。そう思います。
何のために学ぶのか、理由が分からないと今の子どもたちもひょうたん島の子どもたちも(笑)、勉強したがらないのは同じなのでしょう。
投稿: めぐ | 2011年11月 1日 (火) 23時52分