新司法試験
法務省の司法試験委員会は11日、法科大学院の修了者を対象とした3回目の新司法試験の合格者を発表した。合格者数は2065人(男性1501人、女性564人)。合格率は33.0%で初めて3割台に落ち込んだ。委員会が今年の目安とした2100~2500人を下回り、合格者ゼロも3校に上った。また、新司法試験の受験資格は「法科大学院修了から5年で3回」と制限されており、172人が初めて受験資格を失った。
法学部以外の学部出身者が多い「未修者コース」(3年)の合格率は22.5%で、前年より約10ポイント下回った。法学部出身者向けのコース(2年)に比べて21.8ポイント低かった。
今回、初めて法科大学院全74校から受験者があり、総数は6261人。合格者の最高年齢は59歳、平均年齢は29.0歳だった。出身法科大学院別の合格者数は東京大が200人でトップ。中央大196人▽慶応大165人▽早稲田大130人▽京都大100人と続く。合格率のトップは一橋大(61.4%)。合格者がいなかった3校は愛知学院大、信州大、姫路独協大の3校だった。【石川淳一】毎日新聞
中央大学の強さがやはり際だっている。伝統に培われてきた指導の賜物だろうと思う。合格平均年齢が29歳ということは、司法試験合格のために多くの時間と多くの努力が費やされてきたことを物語っている。
塾業界で働く先生方の中にも、講師をしながら司法試験にチャレンジをしている方が結構いる。今までは何年でも何回でもチャレンジすることが出来てきた司法試験であったが、改正により、法科大学院を卒業してから、5年間で3回だけのチャンスとなった。
ますます親の経済力が、子どもの職業選択の幅を狭めてしまった感がする。
司法試験もそうであるが、教員を目指す学生諸君も、大学院過程を専攻する学生が増えている。我が塾の卒塾生にも、大学を終えた後、大学院に入るものが多い。将来教頭、校長職を目指すうえで有利との判断のようだ。
資格や採用条件を満たすために、大学だけでは足らず、大学院への進路を目指す学生が近年増え続けている。
私は、学歴に関係なく受験することが出来た、かつての司法試験が絶対よかったと思っている。経済的理由で大学等の進路が絶たれたものでも、努力と才能でチャレンジができた。苦労人が司法試験に受かっていくことには大きな意義があったように思う。
今回の新司法試験制度は、時代に逆行している改革のような気がしてならない。
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