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2008年8月24日 (日)

武道復活

8月23日15時1分配信 毎日新聞


 文部科学省は、中学校の新しい学習指導要領(12年度完全実施)で武道を必修化するのに伴い、09年度予算の概算要求に全国の中学の武道場整備費50億円を盛り込む方針を固めた。専用の武道場がある学校は半数程度しかなく、09年度は200校程度で施設整備を図り、その後も計画的に校数を増やす。関連で地域で指定校を定め、指導者を招くなどの事業に10億円を計上する方針だ。

 専用の武道場を備える中学校の割合は47%(07年5月現在)で、約5000校は未整備だ。来年度からの新指導要領への移行措置期間中に整備を進め、武道を取り入れる学校数を増やしていく。

 武道場整備費の内訳は、公立校が約48億円で私立校が約2億円。指定校は都道府県ごとに20校ほど設け、武道経験者や武道団体などの協力を得て、指導体制の充実を図る。「地域スポーツ人材の活用実践支援事業費」(08年度約5億円)も倍増を求め、一部を武道指導者の人件費などに充てる方針だ。

武道を必修化することに、今後様々な議論が出てきそうである。剣道や柔道の持つ、礼儀や精神性に着目してのことだと思うが、戦中教育を思い起こす年配の方々も多いのではないだろうか。

私どもの頃は柔道が体育で必修だった。全員が柔道着を買わされた。体型ががっちりしている我々の世代であったが、それでも体育で必ず怪我をする同級生がいた。まったく個人的な感想であるが、何ゆえに武道なのだろうか。特に柔道などは骨折や脱臼などの危険度が高いスポーツである。カルシューム不足で、ちょっと転んだだけでも骨折をしてしまう子供達が増えている中、受身や背負い技の練習をさせるのだろうか。

まさか脱臼や骨折の痛みを生徒に経験させるための武道導入ではないだろうが、お金のかけるところが、なんとなくずれていると感じるのは私だけだろうか。

礼儀の点で言えば、野球部やソフトボール部などは、どこの中学校でも非常にすばらしい。武道に限らず、指導者がしっかりしている部活は、礼儀や挨拶もしっかりしている。学ぶカテゴリーを強制することで解決できる問題ではないように思う。

実は私はことあるごとに、武道の導入を力説してきたが、それは生徒に対してではなく、教員志望者に対してである。

多くの批判を覚悟で言わせていただくが、ピアノが弾けるとか、泳げる能力がそれほど教員の質として重要なことであるだろうか。ちなみに私は金槌で、ピアノが弾けない。小学校教員採用ならば、最初からお払い箱である。

しかし俗に言う不良と呼ばれる生徒に対する対応能力は天下一品だと自負している。凄みとケンカの場数はガキの頃に嫌と言うほど学んできた。小学校から農業で鍛え上げてきた筋力は、50が近づいてきた今でも健在である。そんな硬派(?)から見ても、中学校での武道の導入はどうかと思うのだが、特に都市部の若い親御さんの反応はどうだろうか。

体育武道の内申点を上げるために、武道教室に通わせる親御さんが出てくるのだろうか。かつて小学校教員採用に水泳が義務付けられた時に、全国のスイミングスクールが繁盛したように・・・・・。

運動部や部活の上下関係を学ばないまま、教員になることは、現状の教育環境に置いて、非常に危険な気がする。少なくとも教員を目指すものでそういった経験を中高でしてこなかったものは、大学で武道を学ぶぐらいのことは必要ではないだろうか。空手や合気道などは、気合を学ぶのにいいと思う。せめて気合だけでも生徒に負けない先生であって欲しい。

宗教関係の問題も絡んできて、今回の武道導入決定はいろんな物議を醸しそうである。

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コメント

私のブログにコメントを入れていただいて有り難うございました。
いつもは朝、先生のブログを拝見するのが日課なのですが、マ
ラソンを見ていたりしたら、今の時間になってしまいました。
先生がコメントしていただいた時間と私が先生の記事を読んで
いた時間も実はシンクロしていました。不思議ですねえ。

私のレスにも書きましたが、先生の洞察は私のものと比べるこ
とができないくらいで、勉強をさせていただきました。
部活に補助金というのは、まさにその通りだと私も思います。
私の県では採り入れられてもそれを教える教員がいないと悲鳴
を上げている学校も少なくありません。
本当におかしな教育行政だと思います。


(かねごん)
とよ爺先生いつもブログを読んでいただきありがとうございます。またいつもコメントありがとうございます。先生がブログで書かれていたように、武道教育に関しての議論がなされることなく、文部科学省が早期に決定した今回の事案は、まだまだ考慮するべき点がやはり多くあるように思います。今後の推移に注目していきたいと思います。

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