中学生の25%が「うつ状態」
2007年5月20日の厚生労働省関連の記事の抜粋である。
中学生の25%が「うつ状態」。厚生労働省の研究班が約600人を調査すると、こんな結果が出た。うつ状態は、自殺につながりかねない危険性を指摘されている。専門家は、いじめの有無ばかりに注目せず、子供の心の状態に教師や親が関心を高める必要性を指摘している。
調査は、研究班主任研究者の保坂隆・東海大医学部教授(精神医学)らが2006年8月、静岡県内のある公立中学1校の1~3年生を対象に行った。「生きていても仕方ないと思う」「独りぼっちの気がする」など18項目を質問した。回答は「いつもそうだ」「ときどきそうだ」「そんなことはない」の中から選ぶ方式だった。
高い数字だが、現状を表している
18の質問すべてに答えた男女557人のうち、24.6%の137人がうつ状態と判断された。残りはうつ状態ではなかった。保坂教授によると、うつ状態と言っても、治療が必要なうつ病に近い状態なのか、悩みを人に聞いてもらえばすぐに直る程度の状態なのか、はこの調査からは分からない。
しかし、過去に行われた北海道や九州での中学生たちを巡る調査と比較しても似た数値を示している。保坂教授は「(25%は)高い数字と驚くかもしれないが、現状を表している」と考えている。
保坂教授は、子供の自殺対策を議論するときに、いじめ問題にばかり焦点が当たることに警戒感を持っている。子供たちの悩みはいじめだけでなく、進学や異性関係、親子・友人関係など様々だ。悩みをかかえうつ状態になった子供がいじめのターゲットになってしまうこともある。早い段階で子供の悩みに気付き、必要なら専門医に連れて行くなどの対処が必要だ。大人たちはどうすればよいのか。
――学校では、担任教師たちが、生徒ひとりひとりとじっくり話し合う時間をつくることが大切だ。導入が進むスクールカウンセラーやいじめの有無の調査ではなく、身近な存在として生徒の心配事に耳を傾けるだけでも気付くことがあるはずだ。親は、自分の子に限ってうつ状態などとは無縁だ、という思い込みを捨てる必要がある。だれでも陥ってしまう可能性があると知り、やはり会話を重ねるべきだ。国へは、中学生対策としてだけでなく「こころの安全週間」を創設し、自殺防止や周囲のうつ状態の人に気付くよう啓発することを求めている。全国で毎年行われている交通安全週間並みに一時期に集中的に関心を高めようとするものだ。
警察庁の調べでは、2005年の中学生の自殺は66人、04年は70人だった。
J-CASTニュースより
前回、夏休みの宿題が多すぎるという記事を書いたが、子ども達に不安や恐怖心を煽るような励まし方を大人はやっていないだろうか。「勉強しないといい大学に入れないよ」「成績がこのままだとどこも受からないよ」。などなど・・・・・。
塾教師からぬ意見を常日頃述べてしまう私であるが、勉強が出来ないのも個性だと考えるのが私のスタンスである。個性なのだから長所も必ず持っているのである。優しさとか、気前の良さとか、律儀さとか、人情深いとか、生きて行くうえでの大切なポテンシャルをもっていることが多い。
ただ勉強が苦手なのだ。そんな子ども達を、偏差値や成績順位でどんどん追い込むことで、自信を失わせていく。それが取り返しのつかない悲劇を生むことがある。
自分の命や他人の命が、かけがえがないことだということを、まず第一に考える日常というものを我々は示していかなければならない。勉強や成績を優先する前に、生きるすばらしさ、楽しさを子ども達に実感させることが大切なのに、我々大人は、自分の夢の残骸を子ども達にあまりにも求めすぎる。
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