最近のトラックバック

« ねじ巻き時計 | トップページ | また悲しい事件が・・・ »

2008年7月23日 (水)

少年

雨上がりの虹を自転車で追いかけていった。峠の道で虹は急に加速度を増して、少年の視界から消えていく。

森から急にせみしぐれが聞こえてきた。まるで虹がせみに変わってしまったような突然のせみの鳴き声に、少年はたじろいでいる。

夏の日差しがふたたび雲間から現れだし、山里に点在する民家の屋根がきらきらと輝きだす。

ランニングシャツで顔の汗をぬぐう。さっきまで濡れていた道路はもうすでに乾いている。自転車のそばをカナヘビがちょろちょろと走っていった。

夏休みが終わりかけるいつもの切なさが、急に押し寄せてきた。まるでさっきの虹のように、突然楽しみは終わってしまうものだ。

少年はそうやって毎年毎年、何かを失った分、大人になっていく。

あとひと夏もすれば、雨上がりの虹を追いかけることもないだろう。電信柱に耳を押しつけ、風の歌を聴くこともないだろう。

夏の夕暮れ時、沈む太陽をじっと見続ける少年の目に、今日がどんな一日として記憶されるのだろう。

虹を自転車で追いかけた日、そんな一日として心に記憶されるのだろうか。それとも夏のせつなさとして記憶されるのだろうか。

少年や少女である時代、甘酸っぱい汗のにおいと、日に焼けた小麦色の足が飛び跳ねるその一瞬の季節に、彼らはなんと多くの物語を紡いで行くのだろう。

そのつづれ織りなす物語に、彼らの未来が生まれていく。大人になった時、少年はどんな虹を見るのだろうか。

(お知らせ)

風と虹の教室では、小学生を対象に夏休みワークショップを開催いたします。詳細は下記のURLをクリックしてご覧ください。

            http://kazetoniji.cocolog-nifty.com/happy/2008/07/post_3799.html

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ

« ねじ巻き時計 | トップページ | また悲しい事件が・・・ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 少年:

« ねじ巻き時計 | トップページ | また悲しい事件が・・・ »

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
フォト
無料ブログはココログ