教員採用で汚職
毎日新聞 7月6日配信
大分県の教員採用試験を巡る汚職事件で、当時採用の実務を担当していた県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)=収賄容疑で逮捕=が、07、08年度の採用試験で、少なくとも計約30人以上を合格させるように口利きを受けていたことが、関係者の話で分かった。うち自力で合格した受験者もいるが、約半数を合格させるため点数を加点し、逆に合格点に達していた受験者の減点などの改ざんをしていた疑いが浮上した。県警は口利きがさらにあったとみており、裏採用ルートと県教委内部の不正の常態化について解明を急ぐ。
県教委によると、07年度採用試験は06年7~9月にあり、489人が受験し最終的には41人が採用された。倍率は11.9倍だった。08年度は07年7~9月にあり、472人が受験し41人が採用され、倍率は11.5倍だった。
07年度の採用試験を巡っては5日、県教委義務教育課参事、矢野哲郎容疑者(52)と妻で小学校教頭の矢野かおる容疑者(50)が自分の長女の採用試験合格に便宜を図ってもらうよう元県教委審議監で同県由布市教育長の二宮政人容疑者(61)と江藤容疑者にそれぞれ100万円の金券を渡したとして贈賄容疑で再逮捕され、江藤容疑者も収賄容疑で再逮捕された。
関係者によると、1次試験の実施前に受験者名簿の中から矢野容疑者夫婦の長女の名前を見つけた江藤容疑者が、以前から親交の深かった哲郎容疑者に連絡。哲郎容疑者は本来江藤容疑者への依頼は考えていなかったが、江藤容疑者が長女の受験を知ったことなどから、便宜を図ってもらえるよう依頼したという。
それとは別に哲郎容疑者は1次試験後に、二宮容疑者と接触し、長女を試験に合格させようと9月上旬に依頼料として50万円、合格発表後の10月上旬に50万円の金券を渡していた。ある関係者は「哲郎容疑者は二宮容疑者を通した不正ルートのほかに、(江藤容疑者という)個人的なコネを使ったため200万円が必要になった」と指摘している。
矢野容疑者夫婦の長女は昨年4月に採用、小学校校長、浅利幾美容疑者(52)の長男、長女は今年4月に採用され、いずれも県内の小学校に勤務。事件発覚後、一時、休むこともあったが、勤務しているという。
ひどい話である。教員採用の汚職容疑で大分県の県教育委員会の元幹部が逮捕された。私はこの記事を読んで、教育の荒廃もついにここまで来てしまったのかという感がる。あいた口がふさがらない。小手先だけで教育改革を行ってきたつけが、大本の根幹を腐らせてしまったとしか言いようがない事態だ。
何の言い訳も出来ない状況だろう。血のにじむような努力で、採用試験を挑戦している若者達を裏切る卑劣な行為である。断じて許されない。52歳という若き小学校校長、慢心がなかったとは言えないだろう。社会的制裁はもちろんだが、教育関係者ならびに学校関係者に与えた影響は大きすぎる事件だ。
この事件が氷山の一角でないことを願わずにはいられない。やるせない事件である。大分県の採用試験のために頑張っている学生や臨時採用で頑張っている先生方が、どれほどのショックを受けたことか、胸が締め付けられる思いである。

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