最近のトラックバック

« 校長という仕事 | トップページ | 『レキシントンの幽霊』 »

2008年6月28日 (土)

かねごんタクシー

誰もいない海岸を歩いていると、海の潮風の中に懐かしい匂いがしてくる。小さい頃、魚の行商にやってきたおじさんの鼻をつく、塩がこげたような匂いだ。

塾を始めた頃、私の塾は高校生だけの塾だった。今思うと個性的な生徒達が多かった(今もであるが・・・)。ポケベルが全盛の頃だった。

塾に来ていた女子生徒のポケベルが鳴った。生徒は教室を抜け出し、近くの公衆電話に駆けていった。帰ってくると「かねごん先生、友達が緊急のようなのでちょっと出かけてくるね」と言って教室を出て行った。

一時間経っても二時間経っても戻ってこない。親御さんが迎えに来る頃になってようやく息を荒くして帰ってきた。教室の机を片付け、親の車に乗って帰っていった彼女の残り香に、例の潮の香りがした。

私の塾から一番近い海まで、片道車でゆうに1時間はある。私はかすかな潮の香りの中で、クエスチョンマークを点滅させていた。

翌週彼女に真相を問いただした。19歳の彼氏から呼び出しがかかり、海までドライブに行って途中ホタテの塩焼きを食べてきたのだという。途方も無いことをやらかす生徒達である。厳重に注意したのは言うまでもない。あの潮の香りは、ホタテの塩焼きの香りだったのだ。

またその頃の思い出として、タクシードライバー事件がある。塾を始めた頃なので、塾生といっても一日に3,4名しかおらず、「今日は雨が激しいので塾を休みます」などと言われれば、空振りの一日で、やることも無く雨をうらやみながら本などを読んでいた。

定期テストが近い6月のどしゃ降りの日だった。高校から塾の女子生徒が電話をかけてきた。「先生今日の授業って私達3人だけでしょう。他の高校生って来ないよね」。私がそうだと応えると、「じゃ学校の正面玄関で待っているから先生迎に来てね」と言って電話が切れた。

完全にお抱え運転手である。かねごんタクシーは彼女達を乗せてきて、授業をやったのは言うまでもない。その三名は皆現在お母さんだ。彼女達はかねごんタクシーを覚えているだろうか。

追伸

私の尊敬するブロガーとよ爺先生は、皆さんもご存知のように一日に三つの記事を毎日更新し続けている。実はどんなものかと6月26日、私も初めて三つの記事の更新に挑戦してみた。大変だった。こんな大変なことを毎日やっているのかと思ったら、先生の執筆力はどこから沸いてくるのだろうと、本当に感心してしまった。とよ爺先生、今更ながらですが、本当にすごい!!!

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ

« 校長という仕事 | トップページ | 『レキシントンの幽霊』 »

コメント

かねごん先生、おはようございます。
恥ずかしながら、記事を書くのが億劫なときもあります。
あまり内容がないものもあるので続いています。
数を打てば当たる方式です。
これからもよろしくお願いします。

なお私は毎日4稿を自分に義務付けています。
どうでもいいこですけど、では失礼します。


(かねごん)
え!4回でしたか、ますますもって神業です。あの質と内容のバランスの絶妙さはブログを読んでいる人にはたまらないと思いますが、とよ爺先生の書き続ける文章力は言っちゃ悪いですが、その辺の作家さんを凌駕しています。4回でしたか・・・私もいつか再チャレンジしようかな・・・・・う・・厳しそう・・・。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: かねごんタクシー:

« 校長という仕事 | トップページ | 『レキシントンの幽霊』 »

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
フォト
無料ブログはココログ