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2008年6月21日 (土)

どんぐりと山猫協会

 世の中にはお金を儲けることが、生きていく価値なのだという方がいる。一方お金も大事だが、自分のやりたいことをやって生きて行きたいという方もいる。前者の方々から見れば、後者の者は、負け組みと呼ぶ対象になるかも知れない。

 実は塾をやっている方を眺めてみると、後者の方が圧倒的に多い。大企業でバリバリ稼いでいる方から見れば、ひょっとしたら不思議な世界に見えるのだろう。私もかつて、大企業で働く同級生から「え?塾やってんの」という反応を少なからず頂いた。そしてあと3年で30年を迎えようとしている。

 どんどん教室を増やし、塾生を増やし、拡張を目指すタイプの先生もいる。指導者というよりは経営者タイプの方だ。たまたま塾がきっかけなだけで、この手の方はどんな仕事を手がけてもそれなりの実績を上げて行く。そして彼らの幾人かが大手塾産業のトップランナーにのし上がっていく。

 私も勝手に自分をそう思っているが、長年一つの塾で子ども達と和気あいあいとふれあい、地域に密着し、個人塾を営む方々は人情派タイプの先生である。人情派ゆえに高い月謝設定にためらいを持ち、時に大手フランチャイズ塾に経営を脅かされながらも、卒塾生やご父兄に支えられ、細々ながらもかしこたる信念を持ち、塾の看板の灯を消すことなく頑張っている、そんな塾長先生が全国にはたくさんいらっしゃる。

  今回私どもの塾『大験セミナー』と『中央塾』さんとの連盟で、『どんぐりと山猫協会』という一関個人塾連盟を6月1日に結成した。個人塾が連盟して、定期的に宣伝広告を企画する協会である。

 毎週多くの塾チラシが入る。そのほとんどが東京や都市部に本部を持つフランチャイズ塾のチラシである。私ども個人塾は何十万、何百万という広告料を捻出できる状況ではない。口コミの入塾にたよるゆえに、大手のしらみつぶしの営業戦略や、怒涛のチラシ攻撃に、昔からの地盤を奪われ、良心的な個人塾が廃業していくケースも多い。

 個人塾さんには、大手塾さんのように若い大学でのイケメン講師がたくさんいるわけでも無く、青い目の青年教師が、すばらしい笑顔と英語の発音で指導するわけでもない。しかし塾講師の出入りが激しい大手と違い、長年指導されてきた個人塾のよさも多くある。塾生との信頼関係、痒いところに手が届くような指導やアドバイス。個人塾の真骨頂である。

 私事で恐縮であるが、卒塾生の数多くの恋愛相談にのってきた。就職の相談もあった。死にたいと言ってきたかつての教え子の話を、夜中過ぎまで聞いて、生きる希望を一緒に探した事もある。「先生俺こいつと結婚します」と言って、自分の親に紹介する前に塾につれてきた卒塾生もいる。

 「先生私の赤ちゃんです。かわいいでしょう」と言ってわざわざ遠い所から、赤ん坊を見せに来てくれた元女子高生。「親父癌なんだよ」と言って電話口で泣き崩れた元塾生。私は多くの塾生やご父兄の方々に支えられてきたが、私がこれから支え励ましていかなければならない若者達も多くいる。

 そういった若者達のためにも、個人塾の灯を消させるわけにはいかないのだ。多くの個人塾の先生方もきっと同じ思いだろうと思う。たかが塾、されど塾である。私ども『どんぐりと山猫協会』のチラシが本日市内に入った。今日が一歩である。

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コメント

こんにちは、思いを共有しながら記事を読ませていただきました。
先生のような感性が塾屋の感性だと私は信じて疑いません。
そうでなければ、私たちが生きて、泣いて、笑って、などなど、多くの感動や教え子たちの人生を否定しなければなりません。

小さな一歩と先生は思っていらっしゃるでしょうが、踏み出さな
い限り前進はありません。
素晴らしいことだと私は思います。

(かねごん)
とよ爺先生コメントありがとうございます。『どんぐりと山猫協会』が今日船出しました。個人塾の良さをおごり高ぶることなく、謙虚に伝えていければと思います。先生のような励ましの言葉が本当に前進する力になります。ありがとうございます。

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