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2008年6月 1日 (日)

作家 あさのあつこ

 一昨日末の中学生の息子に、図書館に行ってあさのあつこ作『NO.6』を借りてきてと言われた。

 今日何気にテレビをつけたら、NHKで『ようこそ先輩』という番組であさのあつこさんが出演していた。

 いつものシンクロシティーである。ブログで何度かしたためてきたが、脈絡のない日常生活で、人物なり、地名なりが偶然と思えるようなタイミングで何度か現れるとき、それは偶然ではない。その人にとって重要なメッセージである。

 思わずメモ用紙と鉛筆を握った。母校である美作中学校の2年1組の生徒に語りかける彼女の言葉に、そしてコメントに、現代作家の中学生を感じ取る鋭いまなざしを感じた。

あさのさんの代表作『バッテリー』は、1996年から執筆されるが、この作品を書くきっかけになったのが、1990年代中ごろから続発した少年の凶悪犯罪だったという。当時10代の息子さんの母親だったあさのさんは、衝撃を受け、自分の10代を振りかえながら子ども達の感性と作品を通じて向かい合った。

 番組の中で彼女が言う、「私は作品で、友情物や青春物を書きたかったのではなく、少年や少女に変えられていく大人、大人に頭を下げなくても自分を貫き通す、そういった少年や少女を描きたかった」と。

 少年や少女に変えられていく大人。私はこの言葉に心の奥底をつーんとはじかれた感覚を覚えた。私たち塾教師もそうだが、子どもの鋭い感情や感性に魂を揺さぶられる時がある。

 私は先生で、そして君達を教えてやっているんだなどという感覚は、もう10年も前に捨てた。毎年私は多くの塾生に感動をもらっている。正直なところ尊敬さえする。それは、自分の過去と比べてという意味ではなくて、その輝く存在そのものだったり、力そのものだったり。

 私のブログにいつも含蓄のあるすがすがしいコメントをいただく、学び舎主人こと小林先生は、先日のコメントで、「生まれ変わっても、もう一度塾の先生をやりたい」とのすばらしい言葉をいただいた。私は先生のコメントを読みながら、きっと小林先生も子ども達と接する一瞬一瞬のきらめき、そしてある種の切なさを真の心で感じ得る方なのだろうなと実感した。

 あさのさんのような作家や、小林先生のような文学的感性をお持ちの方々が、子どもをテーマとして語るときの平衡感覚、つまり、大人目線や先生目線で推測しない、実体を本質のまんまキャッチする描写なり言葉は、ストレートに世代を超えて子ども達に届くのではないかと思う。

 

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コメント

こんばんは、内容の濃い記事を毎日お書きになってさぞ大変だと思います。

家の子どもはあまり本を読みません。
しかし、子供と私が初めてほぼ同時に全巻読んだ本が「バッテリー」です。
子供が当時野球部だったせいか、自然と興味を持ったのでしょう。
その後、二人で映画に行き、あさの先生のお蔭で、親子の距離も近づきました。
私たち親子にとって、忘れられない作品になりました。


(かねごん)
 とよ爺先生コメントありがとうございます。うちの倅は本は読んでくれるのですが、勉強はしません(・・笑い)。若い頃の自分を振り返ると何も言えず沈黙です。

6月1日が地区の運動会で、疲れてしまい昨日まで全くブログもメールもチェックしていませんでした。遅ればせながら、あさのあつこさんの話題の時に取り上げていただいて恐縮です。
先日うちの息子も、朝の読書週間に読む本を貸してくれといってサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」(野崎孝訳の方です)を本棚から持っていきました。まだ全部読んでいないみたいですが、どういう感想を持つのか興味深いです。

(かねごん)
運動会ご苦労様でした。気疲れをされたのではないでしょうか。
サリンジャーですか、息子さんの感想には興味がありますね。中学生の感性にはしょっちゅう驚かされている私ですが、きっと意表をつく感想がくるのではないでしょうか。

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