「さよなら」は言わない
英語を教えている先生ならばご存知だと思うが、意外と Good-bye の本来の意味は知られていない。英語の辞書を紐解くと、God be with ye. の省略形と書かれている。最後の ye は現代の you である。つまり「神様があなたとおわしますように」という意味になると思うのだが、 若い頃この意味を知ってからというもの、なぜか気軽に Good-bye (さようなら)を言えなくなった自分がいた。
人と別れをしなければならない時、旅の途中ではやり病などにかかってしまえば、命の保障はない。「どうか神様、この人を見守ってあげてください」なんと切ない別れの言葉だろうか。
人は多くの別れを繰り返す。二度と人生で逢うこともなく、過ぎ去っていく人たちもいる。毎年春に受験指導が終われば、生徒達はそれぞれの旅立ちをむかへ巣立って行く。ちょくちょく近況を告げに塾に立ち寄ってくれる教え子達もいるが、別れた後一度も会うことのない生徒らも多い。
古い名簿などを片付けていて、懐かしい名前を目にしたりすると、元気でいるだろうか、結婚はしただろうかと、思いは巡っていく。
長い教師生活の中に置いて、若くして天に召されてしまった教え子を見送ったこともある。青春半ばでこの世を去る御霊を見送るのは、いつも切なく心が痛む。そんな時私は心の中で「God be with ye to the heven」 神様どうか天国への道のりをお守りくださいと祈らずにはいられない。
しばしの人との別れの時、私はさよならを言わない。さよならを言ってしまうと、もう二度と会えないような気がしてしまうからだ。神様にお願いしなければならないくらい遠くへ行ってしまうような気がしてしまうからだ。
「元気でね、またね」 See you again. 私は「さよなら」は言わない。
追伸
昨日リンクを貼らせていただいてる【とよ爺のつぶやき】のとよ爺先生が、私のブログを紹介してくださいしました。すごいアクセス数でした。膨大なアクセス数をほこるとよ爺先生だけあって、影響力はすさまじい 。まるで教育ブログ界のしょこたんみたいです(・・失礼)。アクセスが増えれば増えるほど、いい加減なたわごとも書けないな~と思うわけでちょっと身が引き締まる思いです。とよ爺先生ありがとうございました。
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こんにちは、私などは大したことはないですよ。
スペイン語でさよならはアディオスと言います。
「ア」は英語の「to」、「ディオス」は「God」です。
スペイン人はいつも神を忘れません。それが信仰だとハッキリ言い切ります。
今のスペインはわかりませんが、スペインにいたときにかねごんさん
と同じようなことを私も考えました。
(かねごん)
びっくりです。スペイン語でもそうなんですね。勉強になりました。言葉は違っても、世界の人たちの根底に流れている神心は同じなんですね。
投稿: とよ爺 | 2008年5月 3日 (土) 10時12分