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2008年5月26日 (月)

不変のテーマ

 「どうすれば成績が上がるのでしょうか」教育にとって不変のテーマである。私は「素直な子どもが伸びますね」とお応えするのであるが、本音を言うと私もこの答えの真実は実は分からない。模索状態が数十年続いている。

 「伸びる子は勝手に伸びる」 そんなことを言ってみたいのだが、それではプロとしてのメンツが立たない訳で、ない知恵を搾り出し考えるわけである。最近は脳科学に興味を持ちだし、いろいろと読んではみたりしている。最近の私のブログの中にやたら脳の話が出てくるのはそのためである。

 職業柄一番興味があるのは、受験勉強などで必要とされる暗記のメカニズムについてである。俗に私達が日常、あの子は頭がいいと言う場合には、暗記力をさすケースが多い。いかに必要なものを脳の中に取り入れ定着させられるのか、そのメカニズムが分かれば受験指導も楽と言うものである。

 しかしこれがなかなか一筋縄ではいかない。我々は教科を教えて月謝を頂いているわけだが、多種多様のメタファーと、多種多様の褒め言葉と、多種多様の人生訓話が日々入り乱れ錯綜し、煩悩の葛藤と正義感のせめぎ合いの中、生徒と格闘しているのである。

 学校で一ヶ月を要する教科の内容をわずか15分ほどで伝授できた時は、自分が天才に思えたりする。一方学校で3日もあれば理解できる内容を、1年かけても理解してもらえていない時は、自分のアホさ加減に絶望する。そんな日々の格闘である。

 なぜ分からないのか、それが分からないときは、さすがに私も人間なので落ち込むときは多々ある。たとえば塾内の専門用語で四天王と呼ばれる生徒が、たまに迷い込んでくる。はっきり言ってしまうと、学年で回れ右してトップの子である。入塾テストなどを施している塾では迷い込んでくることもないだろうが、我がセミナーは来るもの拒まず去るもの追わずの姿勢を貫いているゆえ、進学塾というポリシーをちょっとだけだが、ほのめかしているにもかかわらず縁あってやってくるのである。

 塾生曰く 、「大験セミナーという名前って言うか、看板を見ればわかりそうなものだけどね」ということらしいが、残念ながらそのネーミングの意味もひょっとしたら全然理解してくれていないのだろうと思う。失礼だがそういう子を指導していると、逆に伸びる子どもの本質が見えてくることもある。

 中3になって、英語の小文字が書けない、小学校の掛け算ができない。そんな生徒を見ていて確実に言えることは、そういう子どもは勉強をするという意味を理解していない。つまり学習する動機付けがまったくと言っていいくらいないのだ。失礼千万な表現かも知れないが、親御さんも同じ状態である。

 成績が伸びる子は勉強の動機付けが強烈にインプットされている子どもである。親御さんや家庭での教育を通じ、それが見事に植えつけられている子どもは、なぜ勉強が必要なのかを理解し、自分なりに咀嚼(そしゃく)している。ゆえに成績がいい。

 小さい頃から達成すべき目標設定を与えられ育ってきた子どもと、それがなく育てられてきた子どもの差は大きいような気がする。

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