アミ小さな宇宙人
『アミ小さな宇宙人』は、とても感銘を受けた本だ。エンリゲ・バリオスのこの作品は、異彩を放つ大人のための童話である。
アミはペドゥリート少年に話しかける。「自分の魂が想像したものはすべて実現可能なことだから、努力と維持と確信を持って実現すべきだ」と。地球上に住む我々人間が一番欠けていることは、大人になって夢を見なくなることだ。年老いて行くことに絶望はいらない。そんなメッセージがアミから発信されてくる。
子どもが学ぶということは、毎日進歩すること。毎日を精一杯楽しむということだ。本来は強制や使役があってはならない。私たち人間は強制や使役を嫌がるけれども、それは本当は必要ないことなのかも知れない。
自由に奔放に生きることを制御してきたものは、支配しようとする存在の歴史だ。宗教という名の支配、軍隊という名の支配、教育という名の支配、そして政治の支配。人は搾取(さくしゅ)されることに歴史の中で慣れすぎてしまった。
ロイヤルティーを払わなければ生きていけないシステムを、がんじがらめに作ってしまったような気がする。所得税を払うのも、健康保険税を払うのも、自動車税を払うのも、消費税を払うのも、固定資産税を払うのも、そして国民年金を払うのも・・・・・。
生徒達は言う。「先生江戸時代の農民は大変だよね、士農工商で表面的な身分だけ保証されているけど、年貢はさんざん取られて」。今のサラリーマンの方が、ずっと大変だ。少なくとも江戸時代には、家族で晩御飯を食べれた。盆正月は休むことが出来た。今のような多くの税金は取られなかった。考えてみて欲しい、生活の便利さ、物質の豊かさだけで幸福度は決して計れない。
うそや不正がなければ、警察も鍵も鉄条網も鉄格子も壁も何も必要じゃないし、面倒な書類もいらない。国の対立もなくなるし、宗教の対立もなくなる。そうすれば毎日を楽しく精一杯生きていける。
このシンプルなことが出来ないのが、人間の悲しい性なのだ。『アミ小さな宇宙人』をぜひ家族で読んでみて欲しい。そしてお子さんと話し合ってみて欲しい。宇宙人アミの言葉について。
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