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2008年2月10日 (日)

入試前夜

 高三生は大学受験の真っ最中。当セミナーの塾生も、東京にて受験中である。

 近頃では、東京に長期滞在して、複数の大学を受ける受験生が普通になってきた。親戚の家に寄らせてもらったり、格安のホテルに泊まったり、それぞれ費用をあまりかけないように工夫している。

 中三生や高三生が、入試の前の日の過ごし方について聞いてくる。「いつも通りでいいよ、早く寝ようとしたところで寝られないしね」 と、まあ妥当なアドバイスをするのだが、不安はおさまらないようだ。そこで私の体験談となる。

 私達の世代は皆そうだと思うのだが、貧しかった。したがって、東京に入試の前日に行き、下見をして受験などという余裕はなかった。新幹線などもちろん開通していない昔のこと、夜行列車で早朝上野に着き、そのまま大学の試験会場へなんていう強行軍が普通だった。

 受験生だった私も、仙台より南は全く未知の世界だったので、東京の私大を受けるときは、案内役の父との二人旅となった。

 当時一関駅を夜11時20分に出て、上野駅に6時頃に着く八甲田という夜行列車があった。私と父も、その夜行列車に乗り東京に向かった。

 私の父は、息子との二人旅が楽しかったようで、さっそくワンカップとつまみを取り出し飲み始めた。私はといえば、翌日の試験が気になり落ち着かない。仕方なく酒を飲み始めた父を尻目に、参考書などを取り出し流し読みなどしていた。

 そんなおり、日頃気にとめないページに目が留まった。国際連合の組織機関の英語名称一覧表だった。WHOのOはOrganizationなんだとか、IMFのMFはMonetary Fundか、などと列車に揺られながらながめていた。

 生まれて初めて乗る夜行列車、さすがに眠れるもんじゃない。うとうとしながら朝を迎え、私はぼ~とした頭の状態で、初めて見る東京の街に圧倒されながら大学の試験会場に向かった。

 英語の問題を開いた時の驚きは、今でも鮮明に覚えている。なんと国際連合の組織名を英語で書く設問が出ているではないか。もちろん奇跡的に書けたのは言うまでもない。

 私はその大学に入学し、その大学の隣町に住んでいた今の家内と知り合い、こうやって結婚生活も無事(?)22年目に入ろうとしている。

 入試前夜、本来ならば体調を整え、じっくり休むのが一番良いのだろう。例外中の例外だろうけれど私のような例もある。人それぞれの人生模様を織りなす入試前夜、塾生にもさらなる奇跡が起こることを願わずにはいられない。

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