業界の掟
8月からブログを書き始め、今回でちょうど50回目の投稿となります。塾の思い出話や、日頃のエピソードを織り交ぜながら、ほぼ3日に1回のペースで徒然書き綴ってまいりました。定期的にアクセスして下さり、読んで頂いている保護者の皆様や塾生の皆さんには、なんとなく私の脳内細胞の中身がわかってきたと思いますが、まあ早い話が、どこにでもいるちょっと癖のあるおじさんというところでしょうか。
塾教師という職業は、田舎では異質な職業に入ると思います。ここ20年に及び続けられてきたこと自体、自分でも奇跡じゃないかと感じています。正直申し上げて、毎年受験生を送り出す仕事はフレッシャーとの戦いです。
恩師のお子さんを預かることもありましたし、若い頃たいへんお世話になった先輩の息子さんや娘さんを指導したこともあります。また友人や同級生のお子さんもけっこう入ってきます。はっきり言って落とせません。日々全力投球です。
私がいつも言っていることですが、「受かれば本人の努力のたまもの、落ちれば塾の責任」。これが厳しい我々業界の掟(おきて)です。
大手塾業界は、少子化の時代生き残りをかけ、あの手この手の宣伝媒体を利用し、生徒獲得に乗り出してきます。私どものような個人塾は、合格実績で勝負するしかありません。青い目の外人の先生もいませんし、女子高生がうっとりするような若き青年教師も雇っておりません。(お父さん方がうっとりするような美人先生はいます・・・笑い)
私の指導理念に共鳴いただき、賛同いただいた保護者の皆様に支えられ、これまで頑張ってこれましたし、今後も今までのスタンスを変えることなく頑張っていく所存です。
この20年近くの歩みの中で、教育の現場ではさまざまな問題が生じてきました。いじめ、不登校や引きこもりの問題などです。私の中学校時代、同級生は280名ほどいましたが、学校に来なかった生徒は確か一人ぐらいだったでしょうか。それが今や30人クラスですと、平均2人以上の生徒が学校に登校して来ない状況ですから、大変な増加です。
社会も病んでいます。凶悪犯罪の頻繁、働き盛りの中高年の自殺の増加、リストラの嵐。
「こども達の将来に夢を持てる明るい社会を」このようなスローガンが、ずっと言われ続けてきました。と言うことは今の社会はこども達が夢を持てない社会なのでしょうか。私はそうは思いません。
学校教育が、平等主義というなの「出る杭は打たれる」式の教育を暗黙のうちに実践してきたが為に、リーダー不在の社会構造が出来上がってしまった故だと思います。
なんでも話し合いで決めましょう。独断はやめましょう。テスト順位の発表はプライバシーの侵害ですからやめましょう。そんな日々のなかから真の気骨のあるリーダーが育つわけがありません。人の顔色を常に気にし、事なかれ主義のこども達がふえていくだけです。
私どもの塾の表に、TOPという文字が掲げられています。世の中が繁栄し、豊かになるためには、すばらしいTOPの人材が適材適所に必要です。そういった人材を世に送り出していくのも、我々塾業界の使命だと考えます。
幕末の松下村塾のごとく、この不確かな時代を勇気ある行動で闊歩(かっぽ)できる生徒を世に送り出すこと、これこそが私塾業界が実践しなければならない掟ではないでしょうか。

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