入魂の一冊
「読書感想文書くんですけど、何か先生良い本ありませんか」
長期の休みとなると良く聞かれますが、実はこの本良いよってあんまり薦めたくないんですね。 よく夏休みが近づくと、青少年読書感想文推薦図書なんていうのが本屋さんに平積みにされていますが、あれもちょっとどうかと思います。
本との出合いというのは運命的なものがあって、出合うべきして出合うみたいなそんな感じでとらえています。 私なんか小さい頃からそうなんですけど、この本いいよって言われた瞬間に、読みたい気持ちが引いてしまうんですが、性格が捻くれていたんでしょうけど、今もそうですね。
読書といえば、きっかけは遠い昔のことで、ぼんやりしてしまいましたが、高一ののころだったでしょうか。一万冊の本を読むという誓いをたてたんです。何故って聞かれても困るんですけど、とにかく決めたんですね。一年に200冊読むとして50年かかる計算になるんですが、なんとか結婚した26歳の頃までは順調にいったように思うんですが、家庭をもち、子どもを授かってからは、ペースががっくと落ち、正直申し上げて今現在目標の半分も達していません。これから何歳まで生きられるかわかりませんが、5000冊以上読むのは、厳しい・・いや無理でしょうね。
ずっと前に、書斎とは名ばかりの物置部屋を家内にせっつかれて、整理し、ぐちゃぐちゃ状態の本を、なんとか背表紙の見える状態にしました。
そして、ふ~と、周りを見回して考えた事なんですが、この中から一冊だけ持って宇宙に出かけるとしたら、何を持って行こうかって、ちょっと暇だったんで考えてました。
物語のバリエーションと質という点を考えると、やっぱり『聖書』かなという結論に至ったのですが、どうでしょうか。
キリスト教徒でもない私が、ここで聖書がどうのこうのという持論を述べるのは、控えさせてもらいますが、やはり聖書はいにしえ人の入魂の一冊だと思います。
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